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米誌日本語版STARLOG第2回SFアート大賞入選”TTs34512蒲公英”

大きさ:縦1m 横48cm

材質:紙

制作時期:1,983年(昭和59年)

出来るまでのいきさつ

昔むかし、東京の片隅で…。

大学を卒業してCMの特撮美術の仕事をしていたけれど、自分の思い描くようなSFの仕事にはなかなか巡り合えず、コンテスト出品のために仕事を辞め九州の田舎に帰り、この宇宙船を作った。

テーマはタンポポの綿毛と種。地球から他の惑星へ移住計画の為に建造れたというストーリー。地球から無数に飛び立つ様とタンポポの綿毛をリンクさせた。

アクリル樹脂で作りたかったのだけれど、加工するためには様々な道具が必要だし時間も掛かる。そこで厚紙を切り張りして作った。特殊な形状のパーツはプラモデルから持ってきた。

審査委員の顔ぶれがものすごい。レイ・ブラッドベリ、ロジャー・ディーン、フランク・フラゼッタ、ロバートマッコール、シド・ミード、メビウス、星 新一、岩崎 賀都彰、小松 左京、野田 昌宏、大林宣彦、手塚治虫、筒井康隆。いずれも歴史に名を残す巨匠たちである。

入選の通知と一本の電話が来た。「渋谷パルコで展覧会をするから送って欲しい、表彰式や懇親会もあるから是非列席してほしい」という事だった。入賞作品の殆どはイラストで、クラフトで入賞したのはこれだけ。ショーケースも準備したという事だった。このままじゃ輸送できないから、パーツに分けて梱包して組み立て方のビデオも撮った気がする。しかしながら田舎のアルバイトの身の上ゆえに、とても行ける旅費などない。結局、段ボールに詰めたところまでで現在に至る。

左の画像はその時の雑誌と掲載された作品の画像。